ポジショントレードとは
これからFX取引をしたいと考えている方は、取引期間の長さで迷っていることでしょう。なぜならFX取引期間は、4つに分類されているためです。4つの取引期間とは、数秒から数分単位のスキャルピング・数十分から1日のデイトレード・数日から1週間程度のスイングトレード・数週間から数年程度のポジショントレードがあります。
多数あるFXの取引期間の中でも、このサイトはポジショントレードについて解説しています。ポジショントレードは最も取引期間が長いため、じっくりFX取引をしたい方におすすめです。サラリーマンで普段仕事がある方や、主婦で小さな子どもがいる方、介護でまとまった時間が取れない方にも、長期のポジショントレードが向いています。
一般的にFX取引というと、数分単位や長くても数日程度で頻繁に売買します。しかし短時間での取引は、いつも為替の動きをチェックしなければならず、取引出来ないと考えている方も少なくありません。そんな忙しい人でも、毎日チャートのチェックが不要なポジショントレードなら取引が可能なはずです。
もちろんFXのポジショントレードにはメリットとデメリットが混在します。それぞれの特徴を把握して、自分に合うトレード方法なら選択する価値はあるでしょう。他期間の取引と比べてポジショントレードは利幅が大きくなりやすく、長い目線で投資をしたい方にピッタリです。また「ポジション」とは複数の銘柄を取引し保有する意味です。ポジショントレードは、スワップポイント・値幅が大きい・リスク分散の3つのメリットと、さらにデメリットがあるためそれぞれ解説していきます。
スワップポイント
ポジショントレードの稼ぎ方のポイントとして、スワップポイントがあります。スワップポイントとは、金利差による利益のことです。金利差で利益を上げるには、日本のように金利が低い通貨を売り、高金利の国の通貨を買う必要があります。FX取引では、異なる通貨を売買し、最終的に反対売買で取引が終了します。反対売買終了までのポジション保有中は、保有日数分スワップポイントが受け取れる仕組みです。
ポジショントレードでは、数週間から数年単位でポジションを保有するため、保有期間中毎日利益が得られます。スワップポイントは売買しなくても得られる利益で、長期間取引をせずじっくり稼ぐことができます。ただしデイトレードなどの短期取引で得た利益と比べると、スワップポイントの利益は低いです。それでもFXで長期運用したい方や、忙しく毎日チャートを見る暇がない人には向いている取引だといえるでしょう。
スワップポイント狙いのFX取引では、金利が高い国の通貨を狙います。たとえば豪ドル、NZドル、ランド、トルコリラなどが人気です。ほかにもメキシコペソ、南アフリカランドなども日本通貨との金利差で利益を上げやすいでしょう。スワップポイントはFX会社によっても異なるため、取引したい通貨ペアでできるだけ高いスワップポイントの会社を選ぶようにします。
値幅が大きい
ポジショントレードは、数週間から長くて数年の取引となるため、値の動きが大きくなるメリットがあります。それに比べてデイトレードだと1日の値幅しかありません。為替は1日の値幅よりも、期間が長ければ長いほどその差は大きくなります。値幅が大きい特徴から、デイトレードやスイングトレードよりも、ポジショントレードの利幅は大きいメリットがあります。
ただし金利差を大きくするために、新興国の通貨を選ぶ場合は注意が必要です。米ドルなどは多少為替が下がっても戻ってくることが多いのですが、新興国だと長期間下がり続けることも少なくありません。為替が大暴落すればそれだけ損も大きくなるため、通貨選びや損切タイミングを見極める知識が必要です。長期の保有は社会情勢や経済状況の影響を受けやすく、相場が急変するような世界情勢をチェックしておきましょう。
ポジショントレードのような長期取引では、ファンダメンタルズが大きく影響します。その分相対的にテクニカル的な影響は受けにくいのが特徴です。テクニカルの影響があると、過去の値動きのパターンからチャートを読み解く力が必要になります。一方ファンダメンタルズの影響なら経済ニュースでもある程度は予測しやすく、大きな問題がなければ基本放置でも大きく値が下がる心配はありません。
リスク分散
ポジショントレードは長期間かけて複数の銘柄を保有していくため、リスク分散できるメリットがあります。1つの銘柄だけを保有していると、社会情勢の影響で大きく下落したときにかなりのダメージです。一方で複数の銘柄を保有していれば、為替が大きく変動したものだけ売ることもできます。たとえ1つの銘柄で損が出たとしても、複数の銘柄で総合的に利益を得られれば問題がないのです。
また長期取引なら素早い判断は必要ありません。デイトレードやスイングトレードのように短期間での取引は、勘や経験などで売買していきます。素早い判断力が必要で、じっくり銘柄を選んでいる余裕はないでしょう。時間をかけてじっくり銘柄を選べるポジショントレードなら、社会情勢を確認しながら選べるため、きちんとした根拠のもと銘柄が選べます。
レバレッジもポジショントレードは低く設定します。高倍率のレバレッジは少ない資金で大きく稼ぐチャンスはありますが、その代わりそれだけリスクも高いのがデメリットです。レバレッジが低いと安定性が増し、精神的な負担も少なくて済みます。その代わりポジショントレードはまとまった資金が必要となるため、ある程度予算に余裕がある方向けです。