ポジショントレードは

FXの運用をする場合には、期間をまず設定したほうがいいでしょう。その中でも最も長期的な運用スタイルになるのが、ポジショントレードです。短くて数週間、長ければ数年単位で外貨資産を保有して運用していく方式になります。基本的には値動きを見て、大きな利益を出せるタイミングを見計らって決済するスタイルです。一方通貨ペアの金利差から生じるスワップポイントが発生します。ポジションを持って費をまたぐだけで発生する利子のようなもので、これでコツコツ資産を増やすこともできます。

ポジショントレードの場合、1回の取引で大きな利益を狙うのがポイントです。大体目安になるのは、100～1000pipsの利益です。そのほかに先ほど紹介したスワップポイントも稼ぎます。スワップポイントでコツコツ利益を出していきたいと思っているのなら、金利差の大きな通貨ペアを狙うことです。高金利の国と低金利の国の通貨をペアにすれば、大きなスワップポイントを手にできます。タイミングによっては、1万通貨単位で1日50～80円程度のスワップポイントを獲得できます。1か月あたり何もしなくても数千円の利益になるため、今の銀行の利子よりも多く稼げるでしょう。

スキャルピングやデイトレードのような短期トレードの場合、ある程度値動きのあるペアで運用するのが望ましいとされます。しかしポジショントレードの場合、長期的な保有が前提です。このため、あまり値動きの見られない安定したペアで運用するのが基本です。

トレンドに乗ること

ポジショントレードのような長期的なトレードの場合、トレンドに乗って運用するのが基本です。長期的にチャートを見ると、どの通貨ペアも一定の方向で値動きしていることがわかります。例えばドル円のチャートを見てみると、大体3～4年間は同じトレンドで推移していることがわかります。このトレンドを見極めてポジショントレードをすれば、安定して利益を出せるようになります。

このトレンドの変化ですが、大きな事件をきっかけにすることが多いです。例えばドル円を見ると、2007年に住宅バブルの崩壊によってドル安に進みます。そして2008年にはリーマンショックが起こったことで、ドル安のトレンドがさらに典型的になりました。一方2012年に安倍首相が就任してアベノミクス政策を展開したことで、金融緩和が進みました。その結果、2013年からはドル高傾向に触れました。

このように経済や政治に大きな動きがみられるとトレンドが変化したり、強化したりすることはままあります。もしポジショントレードで運用しようと思っているのであれば、経済や政治のニュースに今まで以上に関心を持つことです。常にニュースを見ることで経済の流れが見えるようになり、ポジショントレードで儲けやすくなります。

2つの注意点

これからポジショントレードを行おうと思っているのであれば、2つのことに注意すべきです。まずは損切りについてです。FXでは大きな損失を計上させないために損切りを行うことは大事です。ただしポジショントレードの際には、すぐに損切りしないほうが最終的にはむしろ得することが多いです。トレンドに乗っているのなら、数日間別の方向に進んで含み損が出ても長期的なスパンでは利益の出る可能性があるからです。しかも多少の損失であれば、スワップポイントが毎日発生しています。このスワップポイントを損失補填に活用すれば、多少の含み損ではそれほど大きなダメージにはならないはずです。

FXの特徴として、レバレッジがあります。英語でてこを意味する言葉で、自分の手持ち資金の何倍もの金額でトレードできます。少ない資金で大きな利益を上げるチャンスがあるといわれているFXの中核を担うシステムです。しかしポジショントレードをする際には、レバレッジの倍率を高くしすぎないことも大事です。

もし損失が出てしまった場合、レバレッジのかかった金額の損を計上します。FX会社ではトレーダーが負担できない損失が出ないように一定の損益が出ると自動的に決済する、強制ロスカットというシステムがあります。もしレバレッジの倍率が高いとこの強制ロスカットが発生しやすくなって、スワップポイントも受け取れなくなるので注意が必要です。

業者選びのポイント

ポジショントレードで中長期的な運用を検討しているのであれば、口座開設するFX会社選びも重視されます。ポジショントレードの場合、金利差によって生じるスワップポイントが収益の中でも重要なカギを握ります。スワップポイントは金利差によってきめられるのですが、同じ通貨ペアでもFX会社によって異なります。中には結構な差のあるケースも見られるほどです。ポジショントレードの場合、数か月から数年単位で保有し続ける形になります。FX業者選びによって、受け取ることのできるスワップポイントもかなり大きくなるでしょう。どの程度のポイントを獲得できるか、慎重に見極める必要があります。

スワップポイントで利益を獲得するためには、高金利通貨を使った運用が大事です。高金利通貨を見てみると、比較的マイナーな通貨が中心です。FX会社の取り扱っている通貨に含まれる場合と含まれない場合があります。高金利通貨といわれているのはトルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドといったところです。これらの通貨の取り扱いがあるかどうかも、ポジショントレードをする際にはチェックしておきましょう。

頻繁にトレードをしないのが、ポジショントレードの特徴です。このため、スプレッドについてはスキャルピングやデイトレードほどに重視する必要はないでしょう。

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